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概要
以下、自分用のメモです。
今回から複数回に渡って cgo についてメモしていこうと思います。
cgo は、文字通りGoからCにアクセスすることが出来るようになるものなのですが、とても便利な反面、結構クセが強いのでメモでも残しておかないとすぐ頭から消えてしまいそうだなって思いました。
Cgo is not Go
という格言があったりするので、Go界隈で標準で推奨されていない技術かもしれません。が、実務ではC言語で作成されたライブラリなどは山のようにあります。んで、プロジェクトの方針でGoで作り直すことも出来ない場合も多々あります。そのような場合に非常に便利です。
これからのサンプルは以下のリポジトリにアップしてありますので、良ければご参考ください。
今回は cgo で malloc
を呼び出すやり方について。
cgoからは C.malloc
で呼び出すことが可能なのですが、cgoで利用する場合は特殊仕様があって実際にはGo側のラッパー関数が呼び出されます。C言語のmalloc関数はメモリ確保に失敗した場合NULL
を返却しますが、このラッパー関数は決してnilを返すことはありません。メモリ確保に失敗した場合は、パニックになります。
以下、ドキュメントの記載です。(https://pkg.go.dev/cmd/cgo)
As a special case, C.malloc does not call the C library malloc directly but instead calls a Go helper function that wraps the C library malloc but guarantees never to return nil. If C's malloc indicates out of memory, the helper function crashes the program, like when Go itself runs out of memory. Because C.malloc cannot fail, it has no two-result form that returns errno.
特殊なケースとして、C.mallocはCライブラリのmallocを直接呼び出すのではなく、CライブラリのmallocをラップするGoヘルパー関数を呼び出しますが、決してnilを返さないことが保証されています。Cのmallocがメモリ不足を示すと、Go自身がメモリ不足になったときのように、ヘルパー関数がプログラムをクラッシュさせる。C.mallocは失敗しないので、errnoを返す2つの結果形式はありません。
サンプル
main.go
package main /* #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <string.h> void p(const void *v) { char *m = (char *)v; printf("%s\n", m); } */ import "C" import "unsafe" func main() { var ( bufPtr unsafe.Pointer szBuf = C.size_t(11) ) // malloc()を呼び出しヒープメモリを確保してもらう. // 内部では malloc() をラップしたヘルパー関数が呼び出される. bufPtr = C.malloc(szBuf) defer C.free(bufPtr) C.memset(bufPtr, C.int(0), szBuf) // // 文字列をコピー // var ( cStr = C.CString("helloworld") cStrPtr = unsafe.Pointer(cStr) ) defer C.free(cStrPtr) C.memcpy(bufPtr, cStrPtr, szBuf) // // C側でちゃんと見れるか確認 // C.p(bufPtr) }
Taskfile.yml
# https://taskfile.dev version: '3' tasks: default: cmds: - go run main.go
実行
$ task task: [default] go run main.go helloworld
参考情報
- C? Go? Cgo!
- Go Wiki: cgo
- cmd/cgo
- runtime/cgo
- cgoを使ったCとGoのリンクの裏側 (1)
- cgoを使ったCとGoのリンクの裏側 (2)
- ebitengine/purego
- JupiterRider/ffi
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過去の記事については、以下のページからご参照下さい。
サンプルコードは、以下の場所で公開しています。