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概要
以下、自分用のメモです。
今回から複数回に渡って cgo についてメモしていこうと思います。
cgo は、文字通りGoからCにアクセスすることが出来るようになるものなのですが、とても便利な反面、結構クセが強いのでメモでも残しておかないとすぐ頭から消えてしまいそうだなって思いました。
Cgo is not Go
という格言があったりするので、Go界隈で標準で推奨されていない技術かもしれません。が、実務ではC言語で作成されたライブラリなどは山のようにあります。んで、プロジェクトの方針でGoで作り直すことも出来ない場合も多々あります。そのような場合に非常に便利です。
これからのサンプルは以下のリポジトリにアップしてありますので、良ければご参考ください。
今回は LD_PRELOAD を利用したモックについて。LD_PRELOAD は、Linuxの動的リンカに特定の共有ライブラリを他のどのライブラリよりも先に読み込むよう指示する環境変数です。
本サンプルは、環境変数 LD_PRELOAD を利用して、Cで作成された共有ライブラリの関数を、cgoで作成したGoの関数に実行時に差し替える(モックする)方法を示します。
この仕組みを利用することで、既存のCアプリケーションの動作を、コードの再コンパイルなしで動的に変更できます。テストやデバッグ、機能拡張などに応用できたりして、知っておくと結構便利です。
サンプル
本サンプルは、3つの主要なディレクトリで構成されています。
clib/: 元となるCの共有ライブラリ (libclib.so) です。c_funcという関数を定義しており、これは引数の和を返します。capp/:clibのc_funcを呼び出すCアプリケーションです。cgo/:clibと同じc_funcという名前の関数をGoで実装した共有ライブラリです。こちらは引数の積を返します。LD_PRELOADによって差し込まれるモックとして機能します。
clib/clib.c
#include <stdio.h> int c_func(int x, int y) { return x + y; }
cgo/main.go
package main /* #cgo CFLAGS: -g3 -O0 -Wall -Wextra #include <stdio.h> */ import "C" //export c_func func c_func(x, y C.int) C.int { return x * y } func main() {}
capp/capp.c
#include <stdio.h> #include <stdlib.h> extern int c_func(int x, int y); int main(void) { int x = 10; int y = 20; int z = c_func(x, y); printf("c_func: %d\n", z); return EXIT_SUCCESS; }
Taskfile.yml
# https://taskfile.dev version: '3' vars: LIB: clib APP: capp tasks: default: cmds: - task: build-clib - task: build-cgo - task: build-capp - task: run build-clib: dir: ./{{.LIB}} cmds: - gcc -g3 -O0 -Wall -Wextra -shared -fPIC -o lib{{.LIB}}.so {{.LIB}}.c build-cgo: dir: cgo cmds: - go build -buildmode=c-shared -o lib{{.LIB}}.so main.go build-capp: dir: ./{{.APP}} cmds: - gcc -g3 -O0 -Wall -Wextra -I. -L../clib -o {{.APP}} {{.APP}}.c -l{{.LIB}} run: dir: ./{{.APP}} cmds: - echo -n '[1][NO LD_PRELOAD] ' && ./{{.APP}} - echo -n '[2][WITH LD_PRELOAD] ' && LD_PRELOAD=../cgo/lib{{.LIB}}.so ./{{.APP}} env: LD_LIBRARY_PATH: ../clib
実行
$ task task: [build-clib] gcc -g3 -O0 -Wall -Wextra -shared -fPIC -o libclib.so clib.c task: [build-cgo] go build -buildmode=c-shared -o libclib.so main.go task: [build-capp] gcc -g3 -O0 -Wall -Wextra -I. -L../clib -o capp capp.c -lclib task: [run] echo -n '[1][NO LD_PRELOAD] ' && ./capp [1][NO LD_PRELOAD] c_func: 30 task: [run] echo -n '[2][WITH LD_PRELOAD] ' && LD_PRELOAD=../cgo/libclib.so ./capp [2][WITH LD_PRELOAD] c_func: 200
実行時にLD_PRELOADでcgo側の共有ライブラリを指定しているので、そっちが実行されていますね。
以下のような動きとなります。
- 通常、
cappを実行すると、動的リンカはcappが依存するlibclib.so(オリジナルのclibディレクトリにあるライブラリ) を読み込み、c_funcを呼び出すと加算 (10 + 20) が実行されます。 - 一方、
LD_PRELOADにcgoでビルドした共有ライブラリ (cgo/libclib.so) のパスを指定してcappを実行すると、動的リンカは指定されたライブラリを最優先で読み込みます。 cappがc_funcを呼び出すと、シンボルが衝突するため、先に読み込まれたcgoライブラリのc_funcが解決されます。結果として、Goで実装された乗算 (10 * 20) が実行されます。
参考情報
- C? Go? Cgo!
- Go Wiki: cgo
- cmd/cgo
- runtime/cgo
- cgoを使ったCとGoのリンクの裏側 (1)
- cgoを使ったCとGoのリンクの裏側 (2)
- ebitengine/purego
- JupiterRider/ffi
個人的Goのおすすめ書籍
個人的に読んでとても勉強になった書籍さんたちです。
過去の記事については、以下のページからご参照下さい。
サンプルコードは、以下の場所で公開しています。






